遺留分の主張は遺留分侵害額請求という方法により行います。
 かつては遺留分減殺請求といって、贈与や遺贈を受けた人に対し、直接、その贈与、遺贈された物件の返還を請求する方法でしたが、その後の法律関係が複雑になる可能性があることから、令和元年7月1日以降の相続から、現金による支払いを請求する現在の方法に変更になりました。
 遺留分侵害額請求には期限があり、相続が開始されたことと自分の遺留分を侵害する贈与、遺贈があったことを知った時から1年、または相続開始から10年が経過すると時効により消滅してしまいます。
 いつ、どのような請求をしたかという証拠を残すため、内容証明郵便で請求するのが一般的です。
 詳しい手続については弁護士に相談されることをお勧めします。
 話し合いで結論が出ない場合には裁判手続で決することになりますが、これについてはまた別の項目でお話しします。

この記事を書いた人

日下 貴弘

略歴
東京都出身。
早稲田実業高等部(商業科)卒業、早稲田大学法学部卒業、中央大学法学部法務研究科修了。
大学卒業後、大手都市銀行に就職。その後、都内弁護士事務所勤務を経て、 2020年、グリーンクローバー法律会計事務所を設立。
代表弁護士・代表税理士。
東京弁護士会所属(税務特別委員会、高齢者・障害者の権利に関する特別委員会)。
東京税理士会本郷支部所属。
日本税務会計学会法律部門学会員。