加算税とは、納税義務者が申告義務を適正に果たさなかった場合に科されるもので、①過少申告加算税、②無申告加算税、③不納付加算税、④重加算税の4つがあります。
 ①の過少申告加算税とは、申告期限内にした申告について、修正申告や更正があった場合に科されるもので、増加分に10%から15%を加算します。
 ただし、正当な理由がある場合や、更正を予知しない修正申告の場合には科されないこととなっています。
 ②の無申告加算税は、申告期限内に申告をせず、申告期限後に申告したり納付決定があったりした場合や、期限後申告や決定について、修正申告・更正があった場合に科されるもので、増加分に15%から20%を加算します。
 こちらは、正当な理由がある場合や、申告期限から1か月以内に期限後申告をした場合で一定の要件をみたすときには科されないほか、更正や決定を予知しない修正申告、期限後申告の場合には5%加算にとどまるときもあります。
 ③の不納付加算税は源泉徴収される国税について科されるものです。
 ④の重加算税はおなじみですが、申告に関して仮装隠蔽があった場合に、①の過少申告加算税や③の不納付加算税に代えて科されるもので、増加分に35%から40%を加算するという大変に重いものです。さらに重加算税は、過去5年内に、無申告加算税または重加算税を課されたことがあるときは、10%を加算することとなっています。
 仮装隠蔽とは、意図的に納付額を少なく申告することで、二重帳簿を作成していたり、帳簿書類や契約書、領収書などを偽造、改ざん、破棄していたりするとこれにあたるとみなされてしまいます。
 税務署から指摘を受けた際に、これらに心当たりがあれば、指摘にしたがってただちに対応した方が良いでしょう。
 逆に心当たりがないのであれば、安易に指摘に応じて対応する必要はありません。後日回答すると答えて税理士に相談すれば良いでしょう。
 また、税務調査自体に税理士の立会いを求めることもできますので、あらかじめ立会いを依頼しておくと安心です。
 なお、税務調査の日時は一方的に決まるわけではなく、都合が悪ければ調整可能ですので、申し出ると良いと思います。
 税務調査の結果に納得できない場合には、再調査や審査請求、税務訴訟という方法もあります。
 税理士や弁護士によく相談することをお勧めします。

この記事を書いた人

日下 貴弘

略歴
東京都出身。
早稲田実業高等部(商業科)卒業、早稲田大学法学部卒業、中央大学法学部法務研究科修了。
大学卒業後、大手都市銀行に就職。その後、都内弁護士事務所勤務を経て、 2020年、グリーンクローバー法律会計事務所を設立。
代表弁護士・代表税理士。
東京弁護士会所属(税務特別委員会、高齢者・障害者の権利に関する特別委員会)。
東京税理士会本郷支部所属。
日本税務会計学会法律部門学会員。