事前の相続税対策としては、①相続トラブル回避対策、②相続税額対策、③納税資金対策、の3つが挙げられます。
①の相続トラブル回避対策とは、遺言などを利用することにより、将来、相続人の間で遺産をめぐる争いが起こるのを未然に防ぐ方法です。
②の相続税額対策は、相続財産評価額の対策とその他の対策とに分けられます。前者については、相続税の計算は原則として財産の評価額をベースとすることから、生前贈与や賃貸物件の建築、購入などを利用して相続税計算の基礎となる財産の評価額を下げて、相続税額自体を減らす方法があります。後者については、相続税の計算上有利になるような法律関係をあらかじめ設定しておくことがあげられます。
③の納税資金対策とは、相続税は現金による一括納付を原則としていることから、納付時期までに遺産分割協議がまとまらなかった場合や、相続した現金が相続税額を下回った場合に備えて、生命保険の利用などにより納税資金を準備する方法です。具体的なことはそれぞれ別の項目でお話ししたいと思います。