遺言書によって不動産を共有で相続させたい場合があります。
自分の死後、自宅不動産に配偶者と子どもが仲良く居住することを期待したり、また、別の項目でお話しする通り、相続税対策として小規模宅地等の特例の適用を考えたりする場合に、この方法が用いられることがあります。
不動産を共有で相続させたい場合には、相続後の共有持分の割合を記載しておかなければなりません。
この記載がなくても遺言書自体が無効となるわけではありませんが、相続登記をする際には共有持分についても登記されるため、遅くとも登記申請までには共有持分の割合を決めておく必要があります。また、相続人全員の実印が押された遺産分割協議書と全員分の印鑑登録証明書も必要になります。
なお、共有されている不動産については、不動産自体を売却する際には全員の同意が必要となります。共有している人が自分の共有持分のみを売却することは他の共有者の同意なく可能ですが、相続人で共有していた場合には、突然他人と同居するという事態になることもありえます。
遺言書で不動産を共有させる場合には、その後のこともよく考えておく必要があります。