検認を経ていない遺言書の有効性は?
別の項目でお話しした通り、遺言書が発見された場合には、それが公正証書遺言や法務局で保管されている自筆証書遺言であるときを除き、家庭裁判所に提出して検認手続を経なければなりません。 それでは、検認手続を経ていない遺言書は効力がないのでしょうか。 検認手続は、「遺言書の原状を保全する手続」と解されています。 公証役場や法務局で保管されていなかった遺言書については、発見後に偽造されたり変造された…
別の項目でお話しした通り、遺言書が発見された場合には、それが公正証書遺言や法務局で保管されている自筆証書遺言であるときを除き、家庭裁判所に提出して検認手続を経なければなりません。 それでは、検認手続を経ていない遺言書は効力がないのでしょうか。 検認手続は、「遺言書の原状を保全する手続」と解されています。 公証役場や法務局で保管されていなかった遺言書については、発見後に偽造されたり変造された…
別の項目でお話しした通り、普通方式の遺言書の種類には、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3つがあります。 このうち、②の公正証書遺言と③の秘密証書遺言については、作成に公証人が関与しているため、これらの遺言書がある可能性がある場合には、公証役場に行って確認することができます。 ②の公正証書遺言については、作成した公証役場に原本が保管されていますので、相続人であればその内容を確認…
相続発生後、被相続人の財産は、プラスであれマイナスであれ、いったん相続人全員の共有財産となります。 この共有財産を、だれがどれだけ受け取るのかを決めることを遺産分割といい、そのための話し合いを遺産分割協議といいます。 なお、生命保険金や死亡退職金は、相続発生と同時に受取人のものとなりますので、遺産分割の対象とはなりませんが、 相続税の対象とはなります。 また、お墓や仏具といった祭祀財産も遺…
遺産分割の流れは、おおまかにお話しすると以下の通りです。 まず、被相続人の遺言書があればそれが優先されるので、遺言書の有無を確認します。また、戸籍を確認して相続人の範囲を確定します。 相続人の範囲に争いがあれば別途、人事訴訟という訴訟により決定する必要があります。 次に、遺言書がない場合には遺産分割協議を行います。 遺言書がある場合でも、相続人全員の同意があれば、遺言書と異なる内容の遺産…
遺産分割における分割の方法は次の3つです。 まず、①現物分割という方法があります。これは相続財産を現状のまま分ける方法です。 次に、②代償分割という方法があります。これは特定の相続人が本来の相続分よりも多く財産を相続した場合に、本来の相続分よりも少なく財産を相続した相続人に対して、その代償としての金銭を支払う方法です。 さらに、③換価分割という方法があります。これは、財産を第三者に譲渡する…
別の項目でお話しした通り、遺言書があっても、相続人全員の同意があれば、遺言書の内容と異なる内容の遺産分割協議をすることは可能です。 ただし、いくつかの要件があります。 まず、別の項目でお話しした通り、遺言書では、5年を超えない範囲で遺産分割協議を禁止することができます。したがって、遺言書にこの記載がされている場合は遺言書の内容と異なる内容の遺産分割協議をすることはできません。 次に、遺贈を…
特別受益とは、特定の相続人が被相続人から生前贈与を受けたり、遺贈を受けたりした場合のその特別の利益のことをいいます。 このような特別受益を受けた相続人がいる場合には、遺産分割の際、公平になるように、相続財産に特別受益の額を加算した上で各相続人の相続分を計算し、特別受益を受けた相続人については、その相続分から特別受益の額を控除した額を具体的な相続分とすることが、民法で定められています。 この加…
寄与分とは、被相続人の生前に、特定の相続人が被相続人の財産の維持や増加に貢献した場合の、その維持ないし増加分をいいます。 このような寄与分が認められる相続人がいる場合には、遺産分割の際、公平になるように、相続財産から寄与分の額を控除した上で各相続人の相続分を計算し、寄与分が認められる相続人については、その相続分に寄与分の額を加算した額を具体的な相続分とすることが、民法で定められています。 寄…
被相続人が死亡した際に、同居していた配偶者がその建物に引き続き居住することで生活の安定を図ることができるように、平成30年の民法改正で、配偶者居住権と配偶者短期居住権という制度が新設されました。 このうち、配偶者短期居住権は、残された配偶者が、遺産分割協議が終わるまで、無償で引き続き居住することができるというものです。 これまで、民法にはこのような制度がなく、残された配偶者に対し、建物の所有…
一方、配偶者居住権も、配偶者短期居住権と同様の趣旨から設けられた制度です(配偶者短期居住権につきこちら)。 ただし、期間は配偶者が死亡するまで認められ、また、建物の使用だけでなく収益までが認められる点が配偶者短期居住権と異なる点です。 配偶者居住権は、遺産分割や遺贈によって取得できるほか、家庭裁判所の審判によっても取得することができます。 ただし、配偶者居住権は、建物が共有であった場合には…