遺言能力--認知症でも遺言書が書けるか?
民法は、「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない」と定め、遺言書の作成についての判断能力があることを要求しています。これを遺言能力といいます。 遺言能力がない状態で作成された遺言書は無効です。 遺言書を作成する動機の1つとして健康不安等を理由に自分の死後について考え始めるということがありますが、認知症などにより判断能力が十分ではない状態で遺言書を作成した場合には、遺言能…
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民法は、「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない」と定め、遺言書の作成についての判断能力があることを要求しています。これを遺言能力といいます。 遺言能力がない状態で作成された遺言書は無効です。 遺言書を作成する動機の1つとして健康不安等を理由に自分の死後について考え始めるということがありますが、認知症などにより判断能力が十分ではない状態で遺言書を作成した場合には、遺言能…
近時、「終活」についての関心が高まり、その影響で亡くなる前にエンディングノートを作成しておく人を見かけるようになりました。 エンディングノートとは、自分が死亡や植物状態などに陥り、意思を自由に表明できなくなった場合に備えて、自分の身の回りのことについてあらかじめその希望を記しておくためのノートのことをいいます。 エンディングノートに記載する内容には制限はなく、死後の自分の財産の処分方法に限ら…
別の項目でお話しした通り、遺言書が発見された場合には、それが公正証書遺言や法務局で保管されている自筆証書遺言であるときを除き、家庭裁判所に提出して検認手続を経なければなりません。 それでは、検認手続を経ていない遺言書は効力がないのでしょうか。 検認手続は、「遺言書の原状を保全する手続」と解されています。 公証役場や法務局で保管されていなかった遺言書については、発見後に偽造されたり変造された…
遺言書には、大きくわけて、通常の状況で作成する普通方式の遺言書と、急死、伝染病隔離、船舶遭難など特殊な状況で作成する特別方式の遺言書とがあります。 普通方式の遺言書には、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3つがあり、それぞれメリット、デメリットがあります。 ①の自筆証書遺言とは、遺言者がすべて手書きで紙に書き記し、捺印する遺言書のことです。 紙、筆記具、印鑑があれば、誰でもい…
遺言書をせっかく作成しても、それが無効となってしまう場合があるので、注意が必要です。 遺言書が無効となる場合としては、大きく、遺言能力がない場合と、遺言書の方式に違背していた場合とがあります。 民法は、15歳に達した者は遺言することができると定めていますが、一方で、「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない」と定め、遺言書の作成についての判断能力があることを要求しています…
別の項目でお話しした通り、被相続人が亡くなり、遺言書が発見された場合には、それが公正証書遺言書や法務局保管されている自筆証書遺言書であるときを除き、裁判所で検認を受けなければなりません。 では、検認を経た遺言書の効力を争うことはできないのでしょうか。 結論から言えば、検認を経た遺言書の効力を争うことはできます。 検認手続の主な目的は、検認手続時における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造…